お酒はエンプティカロリーだから太らない?お酒の適量・おつまみの基礎知識
「エンプティカロリー」の本来の意味を知る
お酒のカロリーを考える上で、必ず議題に上るのが「エンプティカロリー」です。これはアメリカの微生物学者マイケルジェコーブソンが発案した言葉で、固形脂肪や加糖のことをいい、カロリーはあるが他の栄養素がほとんどない食品のことを指す言葉です。
しかし日本では一般的に「体に吸収されないカロリー」つまり摂取しても体内に蓄積されないカロリーとして用いられていることが多いようです。その代表例として挙げられるのがお酒に含まれるアルコールです。
「お酒はエンプティカロリーだから、おつまみを食べなければ太ることはない」といわれることがありますが、これは正しいのでしょうか?
アルコールは摂取すると体が赤くなり熱くなるのは、体内に蓄積できないアルコールのカロリーが優先的に代謝するためであるとの解説がなされることがあります。つまりアルコールはエンプティカロリーのため、それ自体では太ることはないというわけですね。
たしかにアルコールは1gにつき7kcalあり、このカロリーのうち、すべてが体内で使うことができないとされています。しかしどの程度アルコールのカロリーを使えるのか?逆にいうとどのくらい体内には蓄積されないのかは議論の途中でありよくわかっていないようです。
これに加え、この「エンプティカロリー」という言葉自体が一研究者の造語にすぎず、一般的に認知されている言葉ではないこと、またそもそもの意味とは違う意味で日本でとらえられていることを勘案すると「アルコールはエンプティカロリーのためそれ自体では太らない」というのは、それほど根拠のあるものではないと私は考えます。
お酒の一日の適量とカロリー
とはいえ、お酒のカロリーというのは、実はそれほど高くありません。ビールなどはコップ1杯で84キロカロリーですし、ワインはまるまる1本飲み切っても576キロカロリー程度です。
お酒の種類によっては牛乳などよりもカロリーが低く、毎日や毎食飲むのでもない限り、カロリー的にはそれほど大きなウエイトを占めるものではないのです。
そこでここでは一日のお酒の適量について紹介します。アルコール健康医学協会によると「アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20g」です。
お酒の種類と度数 | ビール(5%) | 日本酒(15%) | ワイン(12%) | 焼酎(25%) | ウィスキー(43%) |
目安 | 500ml | 180ml | 180ml | 110ml | 60ml |
カロリー | 210kcal | 189kcal | 126kcal | 154kcal | 142kcal |
また醸造酒(ビール、ワイン、日本酒)はアルコールの他に糖質の多く含まれているので注意が必要です。ダイエットに蒸留酒(焼酎やウィスキー)がいいといわれるのは蒸留の過程で糖質などの不純物をろ過しているからです。
それにしてもビールジョッキでいっぱい飲んだらもう適量いっぱいとは悲しいものがありますね。たまに飲みにいくくらいでしたら、お酒の量についてはあまり気にしなくてもいいのかもしれませんが、毎日晩酌をする方などは上の適量を目安にして、自己節制する必要があるでしょう。
お酒の飲みすぎは、脂肪の分解能力を低下させ、脂肪をためやすくすると同時に肝臓が、アルコールの処理を優先して脂肪の代謝を後回しにするために、代謝されない脂肪が肝細胞にたまり脂肪肝を引き起こします。
おつまみに気を配ることも重要
お酒を飲むときに食べるおつまみにも気を配ることが重要です。お酒自体はそこまで高カロリーとは言えませんが、加えておつまみのカロリーが加わるため注意が必要です。とくに飲むと油っこいものがほしくなりますので、高カロリーを摂取しがちになります。
飲んだ後のラーメンは最高です!などと言っているとメタボまっしぐら。
とはいえおつまみ無しでお酒を飲むとアルコールの処理能力が低下して、肝臓を傷めるといわれています。肝臓の能力を高めるためにたんぱく質やビタミンが豊富なつまみが理想的です。
ご飯ものの炭水化物や油ものは抑えて、サラダやさっぱりとした料理の肉などを少しずつ食べながらお酒をちょびちょび行くのがいいでしょう。定番の生ハムメロンなどもお勧め。
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