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「デトックス」~ダイエットの疑似医学用語解説~

デトックスという言葉の本来の意味とは

デトックスと言う言葉は、本来の意味では、「アルコール、もしくは薬物のように、依存症を患っている人が、それらの原因を取り除き、治療を行うこと」というものです。つまり依存症などの治療として使われることが基本なのです。

デトックスというのは、「解毒作用」「解毒」の意味を持ちます。上記で述べた意味の場合、正しく「(依存症の人にとって)体の毒となっているアルコールや薬物を取り除く」という形で使われているのです。

現在の意味について

ただし、現在では、この「デトックス」と言う言葉は、「体から老廃物などを出し、有害なものを外に出すこと」という意味合いで使われるようになっています。特に多いのが、ダイエットと関連付けたものです。

「ジャンクフードや、石油製品などでたまった毒素を外に出す」「有害なミネラルやダイオキシン、老廃物などを外に出す」という形で理解されています。岩盤浴や食事方法、あるいはマッサージなどをきちんと行うことで、デトックスをすることができると考えられています。

デトックスを行うと、単純に体重を落とせるだけでなく、肌が綺麗になったり、髪の毛のツヤが良くなったりする効果があるのです。

また酵素ドリンクなどのように、体によいものだけを取り入れているときには、「好転反応」と呼ばれる症状に陥ることがあります。

これは体が毒素を排出しようと頑張っているときに熱やだるさが襲ってくるものであり、正常な反応です。風邪と戦っているときに起きる、防衛反応のようなものなのです。

「デトックス」という言葉を紐解

上であげたことが「デトックス」に対する理解でしょう。しかし、これを医学的に紐解いていくと、いくつかの疑問点や間違いがあります。

食事方法を見直すことで老廃物が外に排出されるというのは本当のことです。老廃物を体外に出す役割のほとんどは、排泄物が担っています。

つまり便秘は美容の大敵であるわけです。このため「便をきちんと排出する」という形でアプローチするのであれば、それは正しい方法だと言えます。

ただし「汗」が、老廃物の排出にしめる割合はわずか3パーセント程度。つまり、デトックスを目的として汗をかくのは、それほど意味のある行動ではないのです。ちなみに、有害なミネラルなどについては、基本的に臓器によってきちんと排出されます。

好転反応については、確かに東洋医学の観点にそのようなものがあるものの、それが起こる確率は1000分の1程度ですし、それも漢方薬によるものです。

ましてや体から有害(とされる)成分が出ていくときに、このような好転反応が起こる、というような医学的な根拠は示されることはほとんどありません。多くは栄養が足りないことによる体調不良であったり、副作用であったりします。

ちなみに現在このような表現は、薬事法により規制されています。


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